2016年06月15日

ある人の生き方が 大好きだ

昨日に続き同じような話で申し訳ないが、知り合いにも同じような話があってしつこい様だがそんな歳になったんで申し上げることにする。
都知事と比べるのは甚だ失礼だが、これも庶民が一所懸命に成り上がって、頑張って一流企業の社員にまでなった男の話だ。
一般大学を出て(国立大学ではない)いちサラリーマンから出世は遅いが堅物で融通が利かない男で、誰からも「こいつは石部金吉だ」と言われた男です。
曲がったことが嫌いで、サラリーマンなら当たり前の転勤命令も頑なに拒み、周りの同期が順番に出世する中、亀より遅いと言われ続けて最終的には研究所の課長どまりだったが、何より信望が厚く上司の意見を聞かない部下がこの男の話には耳を傾けるそうで、その何よりの証拠が部下の結婚式の御呼ばれの数だそうだ。
男性からも女性からも好かれていて、他の部署の社員の結婚式にも数多く出席していたそうで、そこの上司よりも格段出席回数が多かったとか。
出世には縁が無くてもここまで人望があれば人として、人間としては大いに尊敬される男だが、そうかといって出世を望まなかったわけではない。
勿論チャンスはあったらしいが、他人を蹴落としてまで出世を望まなかっただけの男が、一番大事にしていたのが定年退職をした後の身の振り方だった。
悠悠自適とまでは行かなくても慎ましやかに余生を過ごせたらといつも口癖のように言っていた。
そして退職に日に自分の部署だけでなく、関係のない部署の人たちからも惜しまれつつ退職をされたのだが、その話が本社の役員の耳に入り、社長自らその人に嘱託の話をしたらしい。確かに専門知識も豊富で会社としては手放すのが惜しいと思ったんだろうが、その人の意志は固く、自分がいたらいつまでも進歩は無いと言って後輩に道を譲ったんだとか。
こうしてみんなから惜しまれつつ去る人もいれば、どこかの都知事のように頑なに知事の椅子にしがみ付く人もいる。
4年やれば3千数百万円の退職金が出て、庶民には夢のまた夢な話。
惜しまれつつ辞めるのが理想で、あちらこちらでよい思いを抱かれなく去っていくのはこれからの余生をあまりにみじめに過ごさないといけないかと思うと、はっきり言って情けない。誰だってそうだがこうはなりたくはない。
自分に納得して、惜しまれつつ、やり遂げたと言う気持ちで残りの人生を過ごせると言うのは何よりもの幸せなんだろうと思う。

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