2019年01月30日

その方は患者さんであり信者さんでもあった

最近、毎日の診療が楽しくて仕方がない。
何が今までと違うか、それはこうだ。
同じ仕事を繰り返し、少々の変化はあっても歯医者のする仕事はほぼ同じことを繰り返しているだけに過ぎないと思っていた。
患者さんによっては勿論同じような痛みでも様々違う。
今年の初めに激痛に耐えきれなくなって来られた患者さんが居た。
麻酔もなかなか効かない、少し触れるだけでもチェアーから飛び上るほどの痛みだった。5分経っても10分経っても一向に麻酔が効いたようには見えなかった。今までの経験上麻酔が効きにくい患者さんは居たがここまでの患者さんは初めてだった。こうなると患者さんとの根競べ状態だった。余りの痛みで顔も青ざめている患者さん、どうしようかと思案していてふっと先輩の先生の事を思い出した。その先生は漢方を処方されたり針麻酔をされる方で、思い出したと言うのは手のツボにある痛みを和らげる所を指圧して痛みを軽減する方法だった。本当は麻酔が効いてきたのかもしれないが、試しにそのツボを3か所押してみた。手のツボ2か所、足のツボ1か所。そしたらどうでしょう最初はそこをふれるのに怪訝な顔をしていた患者さんがみるみる自分で指圧しだした。そこを押すことで痛みが若干ではあるが軽減したとかで、指で押さえ乍ら何とか治療に協力してもらった。タービンで触れる事も出来なかった最初と比べて痛みはまだあるが何とか我慢が出来る位にはなっていた。
そして虫歯の中をほんの2~3ミリ削った所で歯髄内にダイアモンドのバーが抜けた瞬間に痛みが一瞬にして消え失せた。
まぁ滅多と無いがたまにある「急性化膿性歯髄炎」の典型的な症状だった。其れから何度か洗浄と薬を交換に来て貰ってあの時の痛みが嘘の様に無くなった。と本人の言い分。他しかその後の2~3回目に来院した時は手のツボ辺りが紫色に変色していた、内出血みたいに。それからと言うものその患者さんはいつの間にか私の「信者」さんとなっていた。藁をも掴む気持ちだったのだろう。

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