2008年10月09日

反抗期の終わった日

ボクは中学1年の時、反抗期の真っ只中だった。

母に何か言われるたびに「うるせぇ、くそババァ!」

「死ね、くそババァ」と言い返していた。それも毎日

の事だった。ある日、いつもと同じように「死ね、

くそババァ」と言うと、母は黙ってボクの腕を握り締

めて、道路の向かい側の砂浜にボクを無理やり連れて

行った。その途中も「放せよ、ババァ」と声を荒げな

がら・・・砂浜で母はボクの目をじっと見つめて言っ

た。「お母さんなんて死んだらいいのね。ここでじっ

と見ていなさい。」すると母はエプロン姿のまま海の

中へ歩いていく。腰の辺りまで水に浸かり、さらに

歩き続けようとする。あっという間に首まで水に浸か

り、さらに歩き続けようとする。ボクは怖くなって、

泣きながら大声で叫んだ。

「お母さん、お願いだから 戻ってきて!」

母は振り向き戻ってきた。ボクは泣きじゃくっていた

その日からボクは母に「死ね」とか「ババァ」とか

言わなくなった。反抗期が終わった日だった。

それから20年ほどの歳月が経ち、母は天国、ボクは

小学生の息子を持つ父親になった。どれほど子供が

可愛くて仕方ないかわかるようになった。

これから始まるであろう息子の反抗期も母の事を

思い出して、命を懸けて愛していこうと思う。


最近読んだ気に入った心に残る一説。

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