ほっと一息

フリー管理栄養士の毎日を綴ります。

2006年10月20日

栄養士の抱える問題、今昔。

昨日、栄養士関係の掲示板を見ていたら、こんなことが書いてあった。

「老健の栄養士です。栄養ケアマネジメントを看護部に拒否されました。看護部長から、入所者の体重が1キロ増えることで、どれだけ看護婦の負担があると思うの? と言われて。給食委員会に議題にしますが、皆さんのところではいかがですか?」

私が勤務して5年目に、そっくり同じことを看護師長から言われたことがあった。勤務五年目というと、今から10年前(いやもっと前かな?)のことだ。
もっとも、当時は栄養ケアマネージメントなんつう制度もなく、入院時食事療養費ではなく基準給食と呼び、書類も手書きがほとんどだった頃の話だ。

意欲に燃えていた26歳位の私は、高齢者病棟の刻み食に見直しをかけた。結果、高齢者患者の体重が増加して自分的には、満足していた。
ところが、高齢者病棟の看護師からクレームが起きていると看護師長から言われてしまった。
上記のように体重が増える度にどれだけ看護師に負担がかかると思うか考えて欲しいと。
老健ではなく一般病院(399床のうち、199が高齢者入所だった)での話。

蒼い私は、そんなの変な話だと、その問題を給食委員会にかけてしまった。事務長、病院長が看護師長の発言に「医療従事者ににあるまじき発言!」として、激怒して栄養科の面目は保たれたが、看護師長は、その一年後に退職されてしまった。
そして、私は「事務長や病院長にひいきされている」と言われていたらしい。(あとあと聞いた話だけど)

今の私なら、もう少し師長さんと話あうべきだったなと反省できる。若い私は怒り、結局は人の権力でねじふせてしまった。看護師長に少しでも理解してもらって、それが無理なら給食委員会にともっていくべきだった。

看護師長の気持ちも理解はできる。
しかし、何が医療従事者にとって優先か。
医療従事者の中でも影の薄い栄養士、しかし、医療従事者の一員だ。栄養ケアも大事な任務であることを他部署の人間にも考えてもらい、そして協力をあおぐことは大切。

綺麗ごとだけで通じる世間は少ないけれど、人の命に関わることは、やはり優先であって欲しい。
この問題でも、高齢入院患者の栄養状態はしっかりと改善した方がいい。
じょく瘡は、栄養状態の改善で違いが出る。免疫力の向上にもなりえる。
そこを、まずは数人でもデーターを取って、それをまとめて看護師に見せることも、手段としてはあったはずだ。

それにしても、今も昔も抱えている現状は変わらないのかなと、寂しい気持ちも。

他部門との摩擦、栄養科内の問題。
栄養士は好きだけど、役職嫌い、不向きの私には、もう病院には戻りたくないと思っていたけど、なんだか今ならもう少しくらい、うまくやれるんじゃないか?と思わなくもない。もっとも、年寄りの冷や水になるから、絶対に就職はありえないと思うけど。
病院が一瞬だけ、懐かしく思えた。

Comment

きょころ

こんにちは。
そうですね、この師長さんの発言は間違っていましたね。考えたことはなかったですけど、看護師の立場からわからなくもないです。ただ、1キロ増えたところでそんなには変わらないと思います。現場は、とくに夜勤は戦争です。寝たきりが多いとか認知症が多いとか、そういう病棟が多いですから、看護師は2時間おきの体位変換に、間に合わないくらい手一杯で回っています。本当に、猫のても借りたいくらい。だから、この方は平の私たちを守りたくて出た言葉だとは思います、職場の長として。

でも、正しくはないです。看護師で患者さんのことを考えない人はいないですよ、患者さんが元気になる姿が一番嬉しいです。きっと。じゃなきゃ、こんな仕事できない。やせている人が体重増えると私なんかはとっても嬉しい。10キロとかだと流石につらくなりますけど。太っている人がやせるのも嬉しいですよ。

いまは、NSTを立ち上げている病院が多いですし、栄養士さんの意見もかなり重要です。だから、こんな時代を作ったのも、すももさんたちの努力があったからだと思います。
私は胃ろうや経鼻のひとのエンシュアなどを選ぶときに、かなり助けてもらいました。エンシュアでは下痢しちゃう人には乳製品じゃないものを選んだり、液体では下痢しちゃう人には、固形タイプに変えたり。栄養もだいぶ変わってきましたよね。

私たちはそれぞれの分野では長けていたとしても、他の分野を詳しく知らない。だから、連携するためにも、もっともっと話し合う場が必要だと思います。相手の気持ちや頑張りを認められる、ナースになりたいと思います。

2006.10.21 9:39:51

黒こうじ

俺も話し合いで解決できることはしたほうがいいと思います。どっかの隣国みたいに、強行にどちらかがでると大変な軋轢が起こります。 ただ、栄養管理に対して言えば適正なカロリー計算のもと増えるひとも減るひともいるはずです。 1キロふえても1キロ減ってる患者もいるはず!だからお互いに話し合うことで解決できたはずです。コメディカルが協力して患者を治療するのが基本。コメディカルが仲たがいしてはいけないですよね^^

2006.10.21 12:58:37

すもも

きょころ様 
コメントありがとうございます。
この発言は、一番嬉しいかもしれません。
NSTは、うまく起動している病院と、そうでもない所と二分すると
聞いていますが、実際のところどうなっているのでしょうか。
いずれにせよ、現場で今もがんばっている栄養士、がんばれ〜!
きょころさんのように、他部署を理解しようとする気持ちのある人が
もっともっと増えますように。
現在では、ナースも栄養の授業があると聞いています。
栄養は基本!

黒こうじ様
コメントありがとうございます。
コメディカルは、まだ何とかなるかもしれません。
割と年配の医師の方が理解度が低い(私の周囲だけかもしれませんが)ような
気がしていました。上記の件はべつですが。
ちょっと医師に意見したら「栄養士のぶんざいで小ざかしい。だまっていろ」
とおっしゃった医師がおりました。
ぶんざいとは、どういうことでしょうか?
と火に油を注いだ私です。事務長が仲裁してくださいましたが。
栄養士のブンザイって、たかが賄いとか飯炊きとか、そういうレベルの捕らえ方だったのでしょうか?
未だに謎です。

2006.10.21 19:34:31

ドツボ

今居る病院は、「え?!」って思うほど今までの看護人生の中で見たことないほどすごい褥創持ちのじじばばばっかりです。そんな方って大概低栄養。栄養状態が改善できれば多少体交が手抜きになっても(看護婦にあるまじき発言じゃ)改善は見込まれるのに、とホゾを噛む思いです。そんな意味で、栄養士様に期待していることは多々あるんですよ。人間、食べることが基本です。それが病人であれば尚のことです。それを大事に出来ないのはおかしいと思う。入院したら、人間食べなくていいとでも思ってるんでしょうか?点滴では補えないものが経口摂取(この言葉は嫌いですが)にはあるんですよ。すももさん、そして現場の栄養士さん、頑張って!!

2006.10.23 0:44:38

すもも

ドツボさん、コメントありがとうございます。
施設は老健、特老、病院? 各施設で何に重点を置くか違いますが。
病院の栄養士は熱心なはずなのですが…。まだ、そこまで行っていないのでしょうか? 
いずれにしても、できる限り経管から経口栄養に切り替えていくことは大切な治療の一環です。使わない腸管はつぶれますよね。使わない機能も…。
だから、まず器官をしっかり使う!
現在は、そういう指針に変わっているはずでは?
NSTもあるでしょうし。NSTの趣旨って、いち早い回復を目指したとき、栄養状態も重要である。そのための改善チームではないのか?
(入院スパンの短期化にもおいていると思いますが。)

しかし栄養士は医師のオーダーで動くもの。病院の医師の考えはいかがでしょうか? 点滴栄養ってすごすぎます。どういう患者に対してでしょうか?

私は以前、経管から経口摂取が少しでもできる患者さんは、経口プラス経管にしてはどうかと医師に言って「栄養士のブンザイで〜」と言われました。
しかし、少しでも器官は使うべきだと考えています。噛む、飲む、消化液を出す、排便する。この流れは栄養吸収率も違う。そして、代謝がアップし、機能の維持促進につながるはず。
しかし、人員削減などの問題で、個人対応をどこまでできるか、とか、栄養士が調理ではなく栄養ケアに専念できるかという問題もありますね。もちろん能力も。常に自己研鑽の必要な職業です。
フリーで活動している現在もお勉強が必要だと実感しています。

ほんと、負けるな栄養士ですね。

2006.10.23 11:44:12

すもも

追記です。
ついでに、経口プラス経管にと発言した時に、看護師さんからも「誰が食べさせるんですか? そんな人員いません」と言われた記憶があります。
あー、嫌な思い出。

2006.10.23 11:50:35

たくみん

なんだか、悲しい世の中ですね。
看護師さんの言い分も分からないではないですが、
「自分の身内だとしたら、同じことが言えますか?」
と考えてしまいます。
所詮、人事なのでしょうかね。

2006.10.23 13:16:29

きょころ

NSTは結構機能させようとしている病院が多いのでは?機能評価受けた病院には委員会は存在するでしょうし。

ただ、問題点があるとは思います。

医師は、いつでもどこの病院でも鼻高々で。。。っというイメージでとっつきにくいのも現状ですが、ナースも自己主張強くて、あまり良い存在ではないのですかね。
薬剤師さんに薬剤の成分とか頭ごなしに言われたこともあります。そんなことも知らないの的に。でも、向こうも看護技術のこと知らなかったりします。それは、お互い様ですよね。
だからこそ、自分たちの分野の知識をひけらかしたり、自分の立場でしかものを言わない人は嫌いです。自分がわからないことはもっと、知りたいし教えてほしい。相手がそうであれば、提供したい。その上で、全体として患者さんに良いことを、スタッフにとっても良いことを選んでいきたいですよね。

やっぱり、話すことですよね。人として、相手を尊重し、自己顕示もできる人間でありたいですね。

すももさんのおかげで、いろんなこと考えるチャンスができました。
もし、就職が決まっても、こうして、他職種の方と意見交換できる場があって嬉しいです。

2006.10.23 15:17:55

すもも

たくみん様 
コメントありがとうございます。
私の居た病院が、たまたまそういう場であったのかもしれません。
中にはイイ看護師さんも居るでしょう。
まだキャリアの浅い看護師さんは熱心な方が多いですよね。

きょころ様
病院は、委員会が多いですね。
感染委員会とか、防災委員会とか、そんなもんまでいるんかい?
と思うようなものまで。
結構、給食委員会も渋々出てくる部署がありました。
本当なら、専門職どうしの見解が話せる場所でもある委員会なのに
発言力のある方が主役だったりして、とんでもない方向に行くということも
しばしばありました。
おっしゃるように、話し合って理解すべきです、きっと。
きょころさんのような気持ちでいる方が役職について、若い方をひっぱって
行ってくだされば、道が開けるかもしれません。

今はわかりませんが、私が働いていた病院の看護婦さんはスゴイ方が多くて
あまり良いイメージがありません。
主任さんとか部長さんだったからでしょうか。
偉くなると、人は変わるのでしょうか。

コメディカルはしっかりと連携とって固めて欲しいものですね。
がんばれ、コメディカル。

2006.10.23 17:50:12

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